こんにちは、レオです!
今回は収率です。バリスタの方ならご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、あまり聞き馴染みのない用語かと思います。収率を理解することで一気にコーヒーが楽しく、そして理想の味わいに近づくことができます。
この記事では、コーヒーの収率についての基本的な理解から、収率を最適化するためのテクニックまでを紹介します。
収率とは何か?
収率の定義とは、コーヒー豆から水で抽出されたコーヒー抽出物の割合です。
ふぇ?何言ってんの?ですよね(笑)
とりあえずコーヒー豆からどれくらいの成分を移動できたかを%で表したものです。
TDSは濃度を%で表していますが、収率は効率を%で表したもの。
ますますわからんくなってきたぞ(笑)
収率はテイストバランスとイコールの関係になります。
どういう事かと言うと、成分を効率よく出し過ぎた結果“過抽出”となりますし、
成分を十分抽出できなかった場合は“未抽出”となるからです。
収率の計算方法
収率(EY)を計算するための基本的な式や方法を説明します。
EY%=抽出液量(g)× TDS% ÷ 使用したコーヒー豆(g)
SCAでは推奨レンジを18~22%と定めていますが、現在のトレンドに沿ったレシピではあまり当てはまらないのではないかと思います。
そして数値として表しますが、これもTDS同様単に液体を数値で表した物に過ぎません。その為適正レンジに入っていても美味しくなかったり、外していてもテイストになんら影響がない場合もあります。
その為あくまでもこのくらいねくらいに認識しておくのがフラットにコーヒーを評価する上では重要になります。
引用:https://sca.coffee/sca-news/25/issue-13/towards-a-new-brewing-chart
収率の影響要因
収率に影響を与える要因について詳細に解説します。
挽き目
- 細かくする→EYが上がる。成分が多く、テイストは複雑になる。
- 粗くする→EYが下がる。成分が少なく、テイストがシンプルになる。
※この場合EYと同時にTDSも同じ様に上下します。
基本的に収率は挽き目でコントロールするのがベターです。尚挽き目によってフレーバーの明確さも変わります。挽き目に関してはこちらの記事をご参照ください。
湯温
- 温度を上げる→EYが上がる。成分が多く、テイストは複雑になる。
- 温度を下げる→EYが下がる。成分が少なく、テイストがシンプルになる。
※この場合TDSも同じ様に上下します。
湯温は収率にも関与しますが、それ以上にコーヒーのテイストを大きく左右する力を持っています。
湯温に関してはまた別の機会に解説したいと思います。
時間
- 時間を長く取る→EYが上がる。成分が多く、テイストは複雑になる。
- 時間を短くとる→温度を下げる→EYが下がる。成分が少なく、テイストがシンプルになる。
※この場合TDSも同じ様に上下します。
時間は概ね挽き目とリンクします。挽き目を細くすればお湯の通り道が狭くなり、時間はかかりますよね!
引用:https://et.linkedin.com/company/robera-coffee?trk=public_post_feed-actor-name
時間に関しては長くなると質感が特に向上します。
簡単に、時間が長くなればなるほど粘性が増し、行きすぎると粉っぽくなっていきます。
粉量
- 粉量を増やす→EYが下がる。成分が少なく、テイストはシンプルになるが強度は強くなる(TDSが上がる)。
- 粉量を減らす→EYが上がる。成分が多く、テイストは複雑になるが強度は弱くなる(TDSが下がる)。
ここが非常にややこしいですね。
溶媒に対して溶質の割合が増えると液体の濃度は濃くなりますが、溶け難くなります。
つまり、溶けずに固形のまま残る物もいると言うわけです。
コーヒーでも同様の作用が起き、粉量を増やした場合、濃度は上昇しますが、EYは下がると言った結果につながります。
収率の最適化
収率を最適化するための具体的な方法やテクニックを紹介します。
収率をコントロールする上で、挽き目で調節するのが一番簡単です。
流れとしては以下の通りです。
- ご自身または推奨されたレシピで淹れてみる
- 出来上がったコーヒーのテイストバランスを評価する
- ネガティブに感じた部分がテクニックによる物なのか、またはEYが原因かを特定する
- EYである場合、挽き目を細かくするか粗くするかの調整
挽き目の調整の他、抽出時間の管理、BRの調整などが効果的な手法です。
収率と味の関係
収率がコーヒーの味や風味に与える影響について考察します。
縦軸が濃度、横軸がEYを表しており、緑色の表現がポジティブとされる範囲です。
使い方としては、仮に今右下のDryを感じたとしたら、低濃度高収率である為湯量を少なくする、または粉を増やすと言う手段をとれと言う事です。非常に便利ですね。
引用:https://www.baristahustle.com/blog/the-espresso-compass/
- 高すぎるEY:テイストが強く、焦げた様な苦味やドライ感を生む。
テイストを舌の奥で感じ、ウェイトが重いにも関わらず液体が直ぐに流れていく感覚がある。 - 低すぎるEY:テイストが弱く、酸味が主体的な味わい。未熟な果物の様な渋さが残る。
テイストを舌先で感じ、液体がサイドから流れる感覚がある。フィニッシュが弱い。 - 適正なEY:テイストバランスが良く、テイストが舌全体に広がっていく。
アタックから甘さが感じられる。
適正なレンジのコーヒーは最初から明確な甘さを感じます。コーヒーには甘さの成分は含まれていないと言われますが、コーヒーが甘く感じるのはやはり、ネガティブが少なく、適正に抽出されたテイストバランスの良いからだと言えます。
甘さとはそのコーヒーのトータルクオリティを表す物だと以前教えていただいたことがありますが、正しくその通りだなと感じます。
結論
コーヒーの収率は、美味しい一杯を淹れるための重要な要素です。
収率を理解し、最適化することで、より豊かでバランスの取れたコーヒーを楽しむことができます。
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