蒸らしは果たして必要か?:常識を疑って次の一歩へ

コーヒー

こんにちは、レオです。

本日は“蒸らし”についてです。

蒸らしの必要性を再度考えて、今後のコーヒーライフに役立てて欲しいなと思います。

蒸らしとは何か

蒸らしというのは、主にフィルターコーヒーに適応される抽出プロセスの一つです。

主に抽出の初期に行われるプロセスであり、粉に対して少量のお湯を注ぐことで粉を湿らせる状態にすることです。

目的としては、粉に少量のお湯をかけることで粉に含まれた二酸化炭素をリリースし、その後の抽出効率を高めることが蒸らしの目的です。

なぜ蒸らしが必要なのか

蒸らしが必要な理由は焙煎されてからどの位日が経っているのかが鍵になります。

焙煎によって焙煎豆には二酸化炭素が含まれます。二酸化炭素は水には溶けない疎水性です。
発生した二酸化炭素はお湯を弾くため抽出の阻害要因となり、サイドチャネルを引き起こす原因にもなります。サイドチャネルに関してはこちらの記事をご参照ください。

WHITE ROOM COFFEE BLOG | Counter talk by a free-spirited barista
ドリッパー内の水位を考えよう:サイドチャネル/

つまり、焙煎してから日が浅いコーヒーは二酸化炭素が抜けていないため、蒸らしが必要ですよということです。

そしてもう一つ例を挙げるとしたら、濃度を出すためであると答えらえます。

サーバーに落ちたコーヒーというのは最初に濃い液体が落ち、その後その液体を薄めていく作業になります。蒸らしで落ちた液体は最も濃い液体であるため、蒸らしありのコーヒーとなしで濃度が異なるのはこれが原因です。

全てのコーヒーに蒸らしが必要か

蒸らしは焙煎日とリンクしていると上記で示しました。

詰まるところ、抽出とはどの様に焙煎されたかとかなりリンクしているのです。

では、十分にエイジング(焙煎からどれくらい日が経ったか)が取れたコーヒー豆にも蒸らしは必要でしょうか?

私の答えは“NO”です。

しっかりとエイジングが取れたコーヒーは二酸化炭素が抜けているため、蒸らしという工程が必要でなくなります。これは浅煎りだとか深煎りだからといったこと関係ないと断言します。

そもそも深煎りの方が二酸化炭素含有量が多いのは事実ですが、豆の繊維が脆くなっているため浅煎りよりも効率的にガスが抜けていきます。

蒸らしよりも必要な考え方

ではここからは、蒸らし不要論者である私が蒸らしよりも大切にしていることをお伝えします。

抽出の均一性

ここで抽出の均一性について考えていきたいと思います。

抽出の均一性というのは簡単にいうと、いかに全てのコーヒーから均等に成分を取り出すかということです。

例えば、コーヒーに砂糖を淹れたとします。

では、この砂糖はどの時点でコーヒーに溶け始めるでしょうか?

  1. 手から離れた瞬間
  2. コーヒーに触れた瞬間
  3. コーヒーに触れて約1分後

答えは”2”です。つまり溶質は溶媒に触れたその瞬間から溶け始めます。

では少しひねって考えましょう。今はフィルターコーヒーに砂糖を入れています。容量は大体120~150mlほどはあるでしょうか。ではこのコーヒーがエスプレッソだったらどうでしょうか。

おそらく溶け始めるタイミングは一緒で、液体に触れた瞬間でしょうが、溶けきる時間が異なるでしょう。エスプレッソの方が質量が少ないため、同じ量の砂糖を溶かすには液体を混ぜたり時間をかける必要があるのです。

コーヒーの抽出においても同じことが起きます。

つまり、蒸らしを採用した場合、粉に対してお湯の量が少ないがため、溶け出せる成分が十分に溶け出せなくなるという問題が生まれます。

それはなぜかというと粉に対してお湯が少ないと、お湯と触れ合わせるのに時間差が生まれてしまいます。ということは抽出の均一性は取れていないということがわかります。

抽出の均一性が重要な理由

なぜ均一性が重要なのか。結論はそれによって“甘さ”が生まれるからです。

コーヒーの甘さとは非常に面白いものです。

適正に抽出されたコーヒーというのは甘さを感じることができます。しかしながら焙煎されたコーヒーには甘さの成分はほぼありません

ではなぜ私たちはコーヒーに甘さを感じるのでしょうか?

それは全ての成分がバランス良く抽出された結果甘いと感じているからです。

つまり甘さというのは酸味や塩味、旨味、苦味、質感などの成分のバランスが取れた結果甘さという味覚要素を感じているわけであり、甘さというのはそのコーヒーのクオリティを表しているわけです。

そのためにも全ての粉から効率よく良い成分を取り出すためにも、いかに全ての粉を素早くお湯と触れ合わせるかが重要になるのです。

なぜ蒸らしが不要と言えるのか

蒸らしは二酸化炭素をリリースするプロセスだと上記で記載しました。

ではそのために、蒸らしという工程以外で達成する方法として以下が考えられます。

  • エイジングをしっかりとる
  • プリグラインドする
  • シェイカー等を使用し、ガスをリリースさせる

これさえクリアできれば下手に不均一性を助長させる蒸らしは不要であると考えられます。

蒸らしに関してはこちらの動画が非常に参考になるので宜しければご覧ください。

まとめ

蒸らしに関して必要な場合とそうでない場合を挙げさせて頂きました。

ただ誤解して欲しくないのはどっちが正しくて間違っているかということはないということです。

あくまでもこんな考え方もできるよくらいに思っていただけるといいかなと思います。

一番良いのはどっちもやってみて、美味しいと思う方を採用して欲しいなと思ってます。

これらの情報が何かのお役立ててになりましたら幸いです。

ではでは

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