こんにちは、WRCのレオです。
本日はコーヒーのフレーバーの理解度を上げるべく簡単にフレーバーとは一体何なのか、どんな種類がるのかといった点に着目して行きたいと思います。
フレーバーとは
そもそもフレーバーというのは液体や食べ物を口に含んだときに感じる香りや味、食感といった感覚全てのことを指し、風味などとも言い換えられます。
コーヒーでは主に下図のフレーバー表現をまとめたもの(Flavor Wheel)の中から表現する場合が多いです。
上記Flavor Wheel が一般的に出回っているものかと思いますが、個人的にわかりやすく使用しているものが下図です。
これであれば、右側がアロマ、つまりフレーバーとして感知出来るもの。左側がテイスト、つまり味覚として感知出来るものとわかりやすいからです。
今回はフレーバーの理解なので上図の右側、アロマと記載されている点にフォーカスを当てます。
Enzymatic
黄色の枠でEnzymaticと表示されている項目をご覧ください。
そこから3つの枠、Flowery,Fruity,Herbyと分かれているかと思いますが、これらフレーバーはスペシャルティコーヒーをスペシャルティたらしめている所以でもあります。
このEnzymaticが多く占めるコーヒーが良いコーヒーとされております。
それはテロワールや品種、生成処理等での変化があまりにも大きいからです。
これらは有機酸由来のフレーバー表現にあたります。
コーヒーチェリーは光合成によって、炭素固定を行うことで体内の炭素をクエン酸やリンゴ酸、酒石酸といった有機酸へと変化させていきます。
また、植物は呼吸も行いますからその過程である程度の炭素も同時に消費してしまうことになります。しかし標高が高い地域では気温が低いことによる呼吸の減速と、昼夜の寒暖差が大きいことから成熟期間が長くなり、より多くの有機酸が生成されます。
つまり、良好な栽培環境でたゆまぬ努力を施したチェリーだからこそ生まれるフレーバーであるため、スペシャルティコーヒーではこのEnzymatic Aromaを重要視している訳ですね。
Sugar Browning
お次は赤い枠のSugar Browningですね。
これらアロマは主に焙煎によって生じるフレーバーです。そのためEnzymaticの次に重要であり、この枠はスペシャルティにはもちろんですがコモディティでも十分キャッチできるフレーバーでもあります。
これらは焙煎によって糖が焦されることで生成されることが多く、主にNutty,carmelly,chocolatyといった甘さを感じやすいフレーバーです。
またこれらフレーバーはチェリーの収熟度によって変化する場合もあるかなと感じます。
Nuttyである場合は熟度はやや少なめ、それ以上になるに従い糖が蓄えられることにより、caramelly,chocolatyとなっていくイメージですかね。
焙煎由来であることから焙煎度合いによっても大きく異なるかなと感じます。
浅煎りである場合、理想はcaramellyの範疇でcandy like, syrup likeあたりを目指したいところですが、これらがunderよりの焙煎であればNuttyと表現されるようなイメージです。
個人的にはニカラグアの極浅煎りのNuttyがなかなか苦手w
中煎りから深煎りにかけるとchocolatyが強くなるため、抽出によるスイートネス強度でchocolatyがあるのは非常に強いよなと感じる訳です。
Dry Distillation
最後は紫の項目、Dry Distillation。
こちらは直訳すると乾留となります
乾留・乾溜(かんりゅう)とは、不揮発性の固体有機物を空気を断ったまま強熱して熱分解すると同時に、その分解生成物を揮発性有機化合物と不揮発性物質に分けることである。
空気を断つことによって自然発火を抑え、熱分解反応を進行させる。熱分解の結果、水や二酸化炭素、可燃性ガス、揮発性有機化合物などが生成して留出し、炭素や炭酸塩が残る。
これがつまり何を表すかというと焙煎による焦げによるフレーバーです。そのためあまり好ましくないネガティブな表現です。
ただこの項目に関してはややグレーかなといったイメージです。
Smokyやashyといった表現は分かりやすくネガティブですが、コーヒーによっては明確なblack currentやcloveやthymeなど発現する場合もあるため、この辺りはEnzymaticとして拾っても良いのでは?と感じてしまいますし現にそこをポジティブと捉える方は多いです。
しかしこの項目は焙煎によるところが非常に大きく、テロワールや品種由来ではないため優先度は大きくないかと思われます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
このような形で各フレーバーがどの分野から来るのか、そして強度なども合わせて考えていただくとより正確性の高い表現、評価ができるようになるのではないかなと思います。
Flavor Wheelもしっかりと読み取っていくと新たな発見があり、非常に面白いと思います。
ではでは^^