こんにちは、レオです。
今回はドリップ時の粉に対してどのように注ぐと美味しいのかを簡単に検証してみたので、ご紹介します。
レシピ
- コーヒー:コスタリカ ウォッシュド カトゥーラ
- 粉量:13.6g
- 湯量:200g
- 湯温:91度
- 挽き目:22clicks(COMANDANTE C40)
- 65g 0:00-0:10
- 65g 0:30-0:40
- 35g 1:00-1:10
- 35g 1:30-1:40
上記のレシピのもと、注ぎ方のみを変えることでテイストがどのように変わるのかをみていきたいと思います。
端まで全体に注ぐ
端までしっかりと注いだコーヒーは最も抽出時間が長く、落ちきりは3:30と非常に長いコンタクトタイムでした。
注ぐ湯量が少なくなっていくレシピを採用していますが、2投目以降からかなり湯溜まりが発生しており、水位上昇が一番みられました。
注ぎ終わりのスラリーはこのような感じです。
微粉が全て上部に移動しており、泥のような見た目になっています。そして注ぎ終わりのスラリーが平らになっていますね。
一部ではこのようにそそぎ終わりのベッドが平らになっていると全ての粉から均一に抽出されていると評価されます。
テイストは3つ検証したなかで一番全ての要素がギュッと詰まったような味わいでした。
酸味やエンザイマティックアロマ(EM)が潰れ、シュガーブラウニング(SB)が支配的な印象です。
しかしながらややシャープな酸味も同時に感じられました。
そしてタクタイルですが、ウェイトはやや軽めで水っぽいテクスチャーを感じました。濃度感もやや薄いかなと感じる印象。
これは恐らく、水位上昇した際、対流範囲の拡大により目詰まりを起こし、全てのお湯が粉を通らず、ある程度のお湯はフィルターから抜けてしまっているのが原因だと考えられます。
そのため一概にも淹れ終わりのスラリーがフラットだからと言って均一な抽出ができているとは言えないことがここから理解できます。
中心のみ小さな円を描くように注ぐ
土手を残すように中心500円ほどの範囲を注いだコーヒーは落ち切り2:40でした。
注ぎ終わりの見た目はこんな感じです。
僕の注ぎの下手さが目立ってしまっていますが、リブに沿って分厚い壁が形成されていますね。
実際に注いでいた範囲はもっと小さいですが、注湯を重ねていく上で段々と壁が侵食され、最終的にはこのくらいの範囲になっています。
テイストはEMとSBのバランスが取れており、トップノートから酸味と甘さが同時に感じられるカップでした。
Brightは全体に注いだカップよりも格段に上がっています。コンタクトタイムも短いですからね。
タクタイルもミディアムボディーで程よく粘性を感じるカップでした。
これは土手を分厚く残すことで1投目以降の過度なサイドチャネルを減少できたことが結果につながっていると考えられます。
1投目以降少なからずサイドチャネルは起こり、注湯を重ねるごとにその割合は大きくなります。そのためフィルター次第だとは思いますがサイドチャネルを完全に防ぐことは難しいと考えても良いでしょう。
そのためサイドチャネルを利用するという考え方もできるのではないでしょうか?
つまり、注いだお湯が垂直にコーヒーベッドを通過する量とサイドから通過する量を考え、あえて壁を残すことで抽出の均一性を高めるという考え方です。
中心一点のみに注ぐ
ドリッパー真ん中一点のみに注ぐスタイルです。
抽出時間は3つ中で最も短く、2:20の落ちきりでした。
光の加減だからでしょうか?何となくスラリー全体粗い粒子のみがトップに来ているような印象を受けます。見た目は先の真ん中に小さく円を描く抽出と似ていますね。
テイストは全体的なテイストインテンシティーが非常に弱いです。
その中でもやや酸に偏っているもののキャラクターはライトでやや暗めの印象です。
これは一点のみのチャネリングが原因かと思われます。
今回はフラットボトムタイプのドリッパーを採用しているため、Center Pourだと攪拌力が上記2つの注ぎに比べて弱いため、このようなテイストインテンシティーになってしまったと考えられます。
これが円錐型のドリッパー であれば、中央の粉が厚い部分に注ぐかつ攪拌が起きやすい形状でもあるため機能したのではないかと考えられますね。
まとめ
今回は3つの注ぎ方をそれぞれ比べてみました。
注ぎにおいて、攪拌の強度が変わり、それによる収率の上昇が起きることでテイストインテンシティーやテイストの感じ方が変わって来るようです。
また、それによるサイドチャネルの増減が見られ、テイストインテンシティーのみならずタウタイルクオリティにも大きく影響を及ぼしていました。
個人的には中心に円を描く注ぎ、中心一点、全体にかけるの順番で好きでしたね。
しかしどれがよくてどれがダメというわけではなく、状況状況で注ぎを使い分けるということが抽出においては重要であると考えています。